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1枚2,190円の発行コストと83%の壁!マイナンバーカード「二重運用の固定費」を経済面から徹底検証
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行政・制度・生活防衛

1枚2,190円の発行コストと83%の壁!マイナンバーカード「二重運用の固定費」を経済面から徹底検証

📅 2026.10.06 ⏱️ 約7分

「二重運用コスト(制度の並行稼働コスト)」とは、新システム(マイナンバーカード・マイナ保険証・コンビニ交付)の導入後も、非保有者や未登録者への配慮として従来の紙や対面窓口(資格確認書や役所窓口交付)を並行して維持し続けることで発生する追加的な行政・社会固定費のことです。(出典:財務省 予算執行調査、デジタル庁)

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Answer First この記事の結論

マイナンバーカードは身分証の追加ではなく、本人確認と情報連携の限界費用を下げる社会装置じゃ。番号だけあっても、窓口で職員が書類を手入力し、紙の保険証や資格確認書を毎年印刷・郵送し続ける限り、無駄な公費は消えん。保有率83%に達した今、問われているのは感情論ではなく「二重稼働をいつ、どの手続きから止めるか」という工程表じゃ。1.4兆円のポイント事業(サンクコスト)にとらわれず、残る紙の固定費をいかに賢く畳んでいくかを冷静に見極める必要があるのじゃぞい!

2026年5月末時点で保有率83.1%(約1億344万枚)に達したマイナンバーカード。しかし「作るか作らないか」の議論が一巡した今、浮き彫りになってきたのは「二重運用の固定費がどれだけ税金を食っているか」という経済の現実じゃ!財務省の令和8年度予算執行調査では、カード1枚あたりの国費負担が約2,190円と試算され、ピーク時の発行設備(月480万枚枠)を維持し続ける固定費や配送の無駄が指摘された。さらに保有率が8割を超えても「残る約17%のための紙窓口や資格確認書」を並行維持するコストは高止まりしたままじゃ。番号とカードの違い、行政効率化の実績、そして二重稼働をいつ畳むべきなのか、公式データをもとにカブ先生が徹底解説するぞい!

●先生!マイナンバーカードって結局、税金の節約になってるんすか!?

マネ太
マネ太
「先生!ニュースを見てたら、マイナンバーカードの保有率が8割を超えたって言ってたんすよ!でもネットでは『まだ紙の保険証の代わりに確認書を配ってて税金の無駄遣いだ』とか『1枚作るのに2,000円以上もかかってる』なんて声もあって……。結局、経済的には得してるんすか?それとも損してるんすか!?」
ミライ
ミライ
「紙の健康保険証は2024年12月に発行停止になって、経過措置の有効期限も2025年12月で切れたわよね。病院窓口での猶予対応も2026年7月末で完全に終了したはずだけど、マイナ保険証を持たない人には『資格確認書』が無料で配られているそうよ。システムを新しくしたのに紙も配り続けるなんて、二重にお金がかかっている気もするけれど……」
カブ先生
カブ先生
「フォッフォッフォ!マネ太もミライも、極めて本質的なところに気づいたのう!

マイナンバーカードの保有率は2026年5月末時点で83.1%、約1億344万枚に達しておる。

国民の8割以上が持っている今、議論の焦点はもはや『カードを作るべきか否か』という思想の話ではない。

番号そのものとカードを分けたうえで、『二重運用がどれだけ税金を食っているか』という純粋な経済・財政の損益分岐点の話なんじゃ!

今日は財務省の最新調査や公的データをもとに、カードが生み出す効率化の実態と、二重稼働の病根を分かりやすく解剖するぞい!」

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●1. 根本的な勘違い:「番号」と「カード」は別物である

カブ先生
カブ先生
「まず最初に整理すべきなのは、『マイナンバー』と『マイナンバーカード』を混同してはならん、という点じゃ。」

マイナンバーとカードの違いは次の通りじゃ。

1 マイナンバー(12桁の個人番号):住民票があるすべての人に自動で割り振られる識別符号。利用範囲は法律で社会保障・税・災害対策の3分野に限定されており、役所同士が『同一人物の情報か』を突き合わせるための名寄せの鍵じゃ。カードを作っていなくても、番号自体は全員に存在しておる。
2 マイナンバーカード:その番号を裏面に記載した顔写真付きのICカード。中身は本人確認用の電子証明書であり、税額や病歴といった個人情報そのものはICチップに入っておらん。
マネ太
マネ太
「えっ!カードがなくても番号はもうみんな持ってるんすか!?」
カブ先生
カブ先生
「そうじゃ!番号は裏方の照合インフラであり、カードはそのインフラを窓口やネット上で安く動かすための道具に過ぎん。

カードがない場合、窓口では通知カードなどの番号確認書類と、運転免許証などの身元確認書類の2点セットが必要になる。

カードは、この番号確認と身元確認を1枚で終わらせ、ネット上でも『なりすましではない』と機械的に証明できる。

つまり、番号は照合の仕組み、カードは本人確認の限界費用(1件あたりの手間とコスト)を劇的に下げる端末という役割分担なんじゃよ。」

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●2. 行政側で実際に減ったコストと現場の実績

カブ先生
カブ先生
「では、カードによって行政のコストは実際に減っているのかを見てみよう。」

制度導入時、内閣府の規制改革会議資料は、情報連携が十分に回った場合の定量的効果を次のように試算しておった。

- 行政機関等で年間約1,798億円の削減

- 国民・事業者側で年間約2,629億円の削減

(※2018年時点の試算合計であり、決算数字ではない)

主たる狙いは、年間約9,300万枚規模とされていた課税証明書や住民票などの発行・照会事務の削減じゃった。

そして現在、その効果は現場の自治体で確実に現れ始めておる。

自治体・分野 施策内容 具体的な削減実績・効果
東京都 世田谷区 混雑期にコンビニ交付手数料を10円に減額 コンビニ交付が6割超、窓口交付が3割未満へシフト。窓口事務で数千時間規模を削減
愛知県 江南市 窓口受付の16時終了とコンビニ交付・オンライン申請の併用 半年間で職員全体の実時間外勤務が前年比約2,100時間(7.7%)削減
全国の税務・給付 e-Tax連携・公金受取口座の登録 添付書類の省略、給付金振込時の口座手入力作業の完全排除、誤振込リスクの撲滅
ミライ
ミライ
「コンビニで住民票が取れるようになって、窓口で待たされる時間が減っただけじゃなくて、役所の職員さんの残業も実際に減っているのね。」
カブ先生
カブ先生
「その通りじゃ。定型的な紙の発行作業を機械に逃がすことで、職員を介護や福祉の対面相談、専門性の高い実務へ振り向けられる。人手不足に悩む地方自治体にとって、これは極めて切実な合理化なんじゃよ。」

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●3. 財務省が指摘!1枚2,190円の発行コストと「月480万枚枠」の無駄

カブ先生
カブ先生
「しかし、手放しで喜べる状況ばかりではないぞい。財務省の令和8年度予算執行調査で、カードの発行体制に厳しいメスが入ったのじゃ!」

調査の対象は、総務省の『マイナンバーカード交付事業費補助金』。地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が担う製造・発送・受付・コールセンターの国費負担(補助率10割)じゃ。

決算額を発行枚数で割った1枚あたりの国費推移は次のようになっておる。

年度 国費決算額 発行枚数 1枚あたりの国費
令和5年度 247億円 834万枚 2,961円
令和6年度 341億円 1,175万枚 2,905円
令和7年度 401億円 1,830万枚 2,190円

令和7年度の2,190円の内訳を見ると、次の事実が浮かび上がる。

- 製造費:478円

- 発送費:387円

- 申請書作成・受付:1,173円

- コールセンター:152円

カード本体のプラスチックやICチップ(478円)よりも、人件費や委託費が詰まった申請処理(1,173円)の方がはるかに高いのじゃ。

マネ太
マネ太
「なんで1枚2,000円を切らないんすか?」
カブ先生
カブ先生
「鋭いぞい!最大の理由は、『発行体制をピーク時の設備のまま契約維持しているから』じゃ。

J-LISは、マイナポイント第2弾で月間487万件の申請が殺到した時期に、月480万枚(年間5,760万枚)を刷れる機材と人員を複数年契約で固定確保した。

ところが普及が一巡した令和7年度の実績は年間1,830万枚で、設備の3割しか動いておらん。月間でも100万〜200万枚台に落ちているのに、月480万枚前提の固定費を払い続けておるのじゃ。

さらに、市区町村に送る箱が1枚でも20枚でも同じ箱で一般書留(1箱1,140〜2,230円)を使っておる。枚数に応じた梱包に変えるだけで、年約1.1億円の郵送料が浮くと財務省から指摘されておるぞい。」

ミライ
ミライ
「しかもこの2,190円には、役所の窓口でカードを渡す自治体職員さんの人件費は入っていないのよね。」
カブ先生
カブ先生
「その通り!初回発行は住民無料じゃが、税金としては1枚あたり2,190円以上のコストがかかっておる。しかも電子証明書は5年、カード本体は10年で更新じゃ。この維持費は一度配って終わりではないのじゃよ。」

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●4. 最大の経済的損失:「持たない人のための二重運用コスト」

カブ先生
カブ先生
「ここからが本題じゃ。現在、行政コストの最大の病根となっているのは、『新旧2つのシステムを並行稼働させていること』じゃ!」

住民側から見れば、カードの恩恵は極めて大きい。

- コンビニで住民票や印鑑証明を夜間・休日でも安く取得できる

- e-Taxで署名用電子証明書を使い、税務署に行かず確定申告が完結する

- マイナ保険証で過去の処方薬情報が共有され、高額療養費の限度額適用も窓口で即時完了する

- マイナポータルで引越し手続きや児童手当の申請がワンストップ化される

しかし、取得はあくまで任意じゃ。そのため、未保有・未登録者のための受け皿が並行して動き続けておる。

項目 デジタル系統(カード利用) 紙・対面系統(並行維持ルート)
健康保険 マイナ保険証(顔認証機で即時照会) 資格確認書の職権交付・毎年の印刷・郵送・再発行窓口対応
証明書発行 コンビニ交付・オンライン申請(自動化) 役所窓口の対面受付、紙台紙の管理、発券機と案内係の常駐
コスト構造 利用者が増えるほど1件あたりコストが低下(規模の経済) 利用者が減っても窓口・郵送設備を全廃できず、1件あたり維持費が高騰
マネ太
マネ太
「資格確認書って、マイナ保険証を使わない人全員にわざわざ郵送してるんすか!?」
カブ先生
カブ先生
「そうじゃ。紙の保険証が廃止されても、確認書の印刷代・郵送代・再発行の手間が健保組合や国保に重くのしかかっておる。

一部の健保組合が再発行手数料を数千円に設定したのに対し、厚生労働省が『社会通念上過大にならないよう』と指導を入れたのも、紙を維持する費用が保険者側にのしかかっている証拠じゃ。

保有率が8割を超えても、残る約17%のために紙と対面のフルスペック設備を残し続ければ、固定費は削れん。

デジタル化によるコスト削減は、旧システムを完全に止めた瞬間に最大化する。二重稼働が長引くほど、1人あたりの行政維持コストは逆に高くなってしまうのじゃ!」

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●5. 1.4兆円のポイント事業(サンクコスト)にとらわれるな

ミライ
ミライ
「でも先生、マイナポイント事業には1兆円以上もの税金が使われたって聞きました。あの投資は回収できるのかしら?」
カブ先生
カブ先生
「会計検査院が2026年5月に公表した報告書によると、マイナポイント事業(令和元〜5年度)の支出総額は1兆3,905億円じゃ。

申請は事業前後で約6,769万件増え、消費活性化効果は約1兆2,239億円と試算されたが、広報戦略の記録が残っておらず効果検証が不十分と指摘された。

しかし、経済学で最も重要な鉄則を思い出してほしい。

『サンクコスト(埋没費用)は、これからの意思決定に含めてはならない』ということじゃ!

すでに支出された1.4兆円は、過去に支払った費用であって二度と戻ってはこない。

いま議論すべきなのは『1.4兆円を取り戻せるか』ではなく、『これから毎年発生する二重運用の固定費(数十億〜数百億円)を、いつ、どうやって畳んで止めるか』というフォワードルッキングな費用対効果なんじゃよ。」

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●6. カブ先生のまとめ:問われているのは思想ではなく「撤退の工程表」じゃ!

マネ太
マネ太
「作るかどうかで揉めてる場合じゃなくて、残った紙の窓口をどうやって縮小していくかの段階に来てたんすね!」
カブ先生
カブ先生
「その通りじゃ!最後に今日の重要ポイントを総括するぞい。
1 マイナンバーは照合の鍵、カードは本人確認の限界費用を下げる端末である。
2 自治体窓口ではコンビニ交付や受付時間短縮により、残業数千時間減などの確かな実績が出ている。
3 一方で、国の発行固定費(月480万枚枠の過剰設備)や梱包方法には明らかな改善余地がある。
4 最大の税金の無駄は『保有率83%なのに紙と対面の二重インフラを並行維持し続けること』にある。
5 過去の1.4兆円(サンクコスト)を悔やむのではなく、紙ルートをいつ・どの手続きから段階的に畳むかという現実的な工程表こそが、今求められる経済的議論である。

感情や思想で争うのではなく、公費と社会の限界費用をいかに最小化するか。

国民一人ひとりが賢い納税者として、行政の固定費のスリム化を冷静に監視していくのじゃぞい!フォッフォッフォ!」

※本記事に掲載している発行コスト試算、保有率、自治体削減実績、予算執行調査の指摘事項は、2026年6月までに公表された公式データに基づいています。各種手続きの手数料や資格確認書の取り扱いは加入している健康保険組合や自治体によって異なる場合がありますので、最新の運用規則をご確認ください。

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CHARACTER & EDITORIAL
カブ先生
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カブ先生 (Kabu Hakase)

お金や投資のキホンを初心者向けにわかりやすくナビゲートする「お金の学び」の金融教育キャラクター。難しい専門用語を初心者の目線に立ってやさしく解説するぞい!

お金のキホン解説 初心者ナビゲーター 企画・編集:お金の学び編集部
カブ先生より一言 「作るか作らないかの議論はもう過去の話!これからは『二重運用の固定費をいつ畳むか』を監視する時代じゃぞい!」
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