近年、歴史的な高騰を見せている「金(ゴールド)」は、投資家の間で『安全資産』の代表格として大きな注目を集めています。しかし、その輝かしい値上がりに目を奪われ、資産の大部分を金に投じてしまうのは非常に危険です。金投資には明確な強みと弱み、とくゆうの相場メカニズムが存在します。
1. なぜ金は「無価値にならない」のか?
紙幣(通貨)は、それを発行する国家の信用によって成り立っています。国家が破綻すれば、その紙幣はただの紙切れになります。また、株式や債券も発行企業が倒産すれば価値を失います。しかし、金は地球上に存在する総量(これまで採掘された分と埋蔵量を合わせてもプール約4杯分程度)が決まっている希少な『実物資産』です。そのため、どのような時代でも、また世界中どこに行っても、それ自体の価値がゼロになることはありません。これが『有事の金』と呼ばれる理由です。
2. 2026年最新相場の急高騰と急落の背景
2026年の金相場は、歴史的な乱高下を記録しています。1月には世界的な地政学的リスクの高まりやインフレへのヘッジ需要、さらには各国中央銀行の「米ドル離れ」に伴う買い越しによって、一時1オンス=5,600ドル台の史上最高値を記録しました。
しかし、2月に入ると4,000ドル近辺まで急落しました。この背景には、アメリカの根強いインフレ(粘着インフレ)によって米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ期待が後退し、米長期金利が高止まりしてドル高が進行したことがあります。金は「利息や配当を生まない」という最大の弱点があるため、金利が高くなると、利息が付くドル債券などにお金が流れて金価格は下落しやすくなるのです。
3. ポートフォリオにおける「最強の保険(脇役)」
金は長期的に見ればインフレから資産を守る強力な盾になりますが、配当や利息といった「キャッシュフロー」を生み出さないため、資産を能動的に増やす力はありません。そのため、金は運用ポートフォリオの主役にするのではなく、全資産の 5%〜10% 程度を「万が一の暴落やインフレに備える保険」として保有するのが最も賢いアプローチです。
■ Source(参考情報):
・World Gold Council (世界黄金協会) 公式マーケットデータ